ケアマネジメントの構成要素は、(1)クライエントの存在、(2)そのクライエントが( )的なニーズをもっていること、(3)社会資源の存在、(4)援助者チームの存在、(5)ケアマネジャーの存在である。すべての要介護者のケースが、ケアマネジメントの対象になるわけではない。
教科書には「ケースマネジメント(ケアマネジメント)」という章があり、その中に「ケースマネジメントの構成要素」という項がありました。
ケースマネジメントを実施するためには三つの構成要素が不可欠となる。第一は、「ケースマネジメントのクライエント」である。第二は、「クライエントが在宅生活をするために必要な社会資源」である。第三は、「クライエントと社会資源を結びつけるケースマネジャー」である。この説明では構成要素は3つで、レポート課題文は5つになっているのが困ったところです。
(社会福祉士養成講座編集委員会編『新・社会福祉士養成講座8 相談援助の理論と方法II』、第2版、中央法規出版(2014)、p.24)
同じ節の前後を読んでみると、
ケースマネジメントとは、生活を部分部分に分けて維持や向上を図るのではなく、クライエントの身体機能的側面、精神心理的側面、社会環境的側面を総合的に維持・向上させていき、QOLを向上させていくことに特徴がある。という記述があるので、「( )的」という課題文からは「総合的」という言葉が入りそうな気もします。でも、「総合的な支援」というものはあっても、「総合的なニーズ」というのは言葉のかみ合わせがおかしいと感じました。
(前掲書、pp.23-24)
その後、インターネット検索すると、他の養成施設の教員のブログ記事がヒットしました。こちらでも構成要素は3つですが、その下にいきなり「(2)複合的なサービスニーズ」と書いてあります(1はないし、3もありません)。
上記ブログ記事に載っている内容は、章構成やページ番号が白猫が使っている教科書と一致しているので、同じ教科書をもとに書かれていると推察できますが、この「複合的なサービスニーズ」は教科書のどこから出てきたのかわかりませんでした。
とすると、上記ブログの筆者やレポート課題の出題者は教科書の初版(2009年)を持っていて、初版には「複合的なサービスニーズ」が書かれているのではないでしょうか。そう考えたのは、インターネット検索をすると、構成要素が3つと書いてある上記のブログ記事以外に、同じトピックで2009年(初版の出版年)に書かれた同じブログ中の記事がヒットしたからです。
2009年のブログ記事では構成要素は5つと書かれています。具体的には、ケアマネジメントの構成要素として(1)利用者、(2)複合的なサービスニーズ、(3)サービス資源(社会資源)、(4)支援者チーム、(5)ケアマネジャーが挙げられています。
2009年の記事に挙げられている「ケアマネジメントの構成要素」は、個数も、順番も、内容も、レポート課題文と一致しています。2011年のブログ記事は2009年の記事を一部改編したものであると考えれば、2011年の記事中に不自然な「(2)」が入っていることも納得がいきます。また、2009年の記事では「ケア」マネジメントの構成要素と書いてあってレポート課題文と一致していること、2011年の記事や白猫の教科書(第2版)では「ケース」マネジメントの構成要素と書いてあることからも、初版と第2版で教科書の記述内容が変わっていると思われます。
採点されたレポートと一緒に送られてきた総評には、「テキストレベルで答えられる問題ばかりですので、該当箇所を何度も読み、理解していけば解答できます。」と書いてありました。おそらく、レポート課題の出題者は初版の教科書に基づいて出題しているのでしょう。古い教科書を探さないと答えられないような問題はテキストレベルとは言わないと思うのですが…
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